月輪のドリュアス / 黎羊さん @Re1yo

仲良くしていただいているフォロワー・黎羊さんの作品。

表紙からてっきり中身はファンタジぃぃぃぃ勇者とお姫様ぁぁぁだと思ってたんだけどそんなことはなかった。サラリーマンが花の精と生活する話。

でも僕はこういう話の方が好き。日常にでてきたささやかな非日常。

珠輪さん、話を通してひたすらなにもしゃべらないのだけど、それがまたかわいいですね。もういぬっぽいですね。いいですね。

主人公がこのことを相談しにいった女性が何者なのか気になるけど、珠輪さんの存在を疎ましく思ってないあたりで仲のいい友人なんだろうなと。

主人公が喋らない同居人の世話を焼いたり喋りかけたり、本当に頑張ってペットの世話をしている感じでとても微笑ましかった。

一番面白かったのは

「いい匂いっすね柔軟剤変えた?」

「変えた」

のやりとりが個人的にツボだった。大変そうだけど、本人はきっと苦労とも思ってないし、大変とも思ってないんだろう。二人のこれからが平和であるといいな。

 

「The Brenner BANG BANG」/ akiraさん @akira_l_u

お世話になってるakilaさんの本。ブレナーおじさまの本。

今回はブレナーさんはどっちかっていうと脇役で、バックオフィスから前線のエージェントにクラスチェンジしたレイジがメインの話。

レイジは淡々と仕事をしていくけど、途中からブレナーから「勘は取り戻したか」と聞かれていたので、以前も前線の仕事はしていたのかな、と思った。

淡々とやってくなかでやっぱり心にひっかかるものはあるようで、葛藤をたまに顔にだしてしまう。ブレナーはまったく顔にださないんだけどね。

この辺の仕事の心持ちは一体どうなるんだろうな。淡々と相手を殺すにはある程度狂人の世界に足を踏み入れないといけないとならないような気はしている。うちの作品もそうだけど、強さを手に入れるのはそっちに踏みだした人たち。でも人としての心を失ってはいけないのかもしれない。レイジはそのあたりで悩むようになっていき、やがてそうして狂人の領域にいってしまうのかもしれない。

その時ブレナーはどういう判断をするのかな。

僕は狂人になる前に、レイジにはやめるようにブレナーに説得して欲しい。それが狂人のレイジを殺すという言葉を守ることになるなら。

人を殺しても心は殺さないで欲しいと思う。

海照りの桜〜櫻河艦艇群へようこそ / ヒメさん @Copy_hmgm

こちらは僕が文芸時代からの友達、ヒメさんの本。小説です。

かなり装飾こだわっていて、読んでてなんか楽しかった。

さて中身。舞台は隔離された櫻河艦艇群と呼ばれる自治国家。

主役は地位の高い櫻河ほまれ第一席とその補佐官明日海。そして突然櫻河艦艇群にやってきたなにも持たない移民、千代の三人。

前半は明日海が千代に設備や状況の紹介をして行く。結構整備とかはしっかりしてるっぽい。割と頭おかしいリーダーだとこういうのだめなので、多分ほまれ一席がちゃんとしてるんだろう。その割には明日海に仕事を容赦無くぶん投げてるので、自分で手は動かしたくない人なんだろうなあ。

ほとんどが自動化&管理が行き届いていることもあるので、一移民に対して扱いが丁寧なのが見て取れる。住民満足度はたかそう。たかそうだけど。

一部でよその国とのトラブル(しかもライフラインに関わる)を起こしたりしてるので、やっぱりそういう意味ではしんどい立場というのはわかる。ただ普通に高校生、明日海とかもそうだけど就労しているので、その辺の法律はどうなってるのか気になるところ。ほまれ一席容赦無く明日海に仕事なげてたのでゆるいのかもしれない。ただそういうトラブルに面前に10代の女の子がぶちあたったりして精神を病んだりしてるので、日常生活は常にシビアなんだろう。

天変地異にも襲われて全体が危機に陥ったりするので人材不足感は出てる。育成急務な現場感はでてた。頑張って人材を入れて欲しい。

あと明日海さんは官房補佐官だった。

この話はいま原作者、ヒメさんの許可をもらってぼちぼち漫画にしてます。できたら公開するよ。

ヒトカタノ 1 / Re;9さん @RICK_ADD9

よくしてくれているフォロワーRe;9さんの新刊。ヒトカタノ。暴走したAIとそれと戦う人間たちのお話。

その間にいる女の子がどうもAIっぽい、ということに気づいたのが実は最後だったw でもいいコンビこの二人。

時代は結構未来。色々AIにたよりきりになっていた人類がしっぺがえしを受けているのだが、本気で食料とかに困ってしまった主人公たち。

設定とか世界観よりその中でちゃんと描かれているキャラクター、無言で近づく人型AIがしっかりしてて他のAIものとは区切りがあってそれがよかった。あとなにより人間に付いている女の子AIサヤが一番異彩を放っていて、この子とナツメが二人で主人公をおりなすという形で進んで行く。

サヤの口調と立ち振る舞いが好き。

ただ。

最初でてきた女の人のAI。あの人が一番辛かったな。きっとあの人が抱えてた子は主人の男の子だったとしたら。

突然の崩壊で守りきれなくて、最後まで人間を守ろうとして、目の前に現れたナツメとサヤを敵と認識してー。

もしそこで会話する、というステップを踏めたならよかったのに。と思った。他の感情をもたないAIに負け続けるより、サヤみたいなAIもその女の人みたいなAIもいるのなら、この戦いは希望のある戦いでもあるのかも、と思うと救われた。

今後もっと深みに突っ込んで欲しい続きが気になりました。

DEEPEND「VISION」 / 外苑佐清さん @hudouco

お世話になってるフォロワー、佐清さんの新刊。

石像の美少女ララとランセがわしわしする話。ジョチは登場人物紹介にはでてくるけど冒頭でちらっとでてくるだけ。

ララは昔シャイな彫刻家が作った石像。心残りなことをいろいろあって解決をランセに依頼して〜という流れ。

今回初めて表紙が公開されたとき理解ができてなかったのだけど、中身を読んでなるほろと腑に落ちた。今までと違ってランセが非常に悪魔悪魔してしまっていて、あーもうこの人は遠い人だのう、という気がした。僕ですらそう感じたのに、ジョチはそう感じることはないのかな、というのは思った。ランセ遠くにいくな、みたいなことをいうことはないかなーと。いつか。

彫刻家の気持ちはわかるが、絵と違って物体は難しそう。そして性格が災いしてなにもできない。なんか、エロ漫画を描いてるけど経験がなかったりする人に近いんだろうかなあ。

ララがたまにいう石像プチ話が面白かった。バカにされるのか。あと彼女のなんじゃもんじゃ口調はいいですね。ああいう女性はいいです。

最後の会話文はジョチが娼婦を呼ぶところは漫画にしてほしいですね!ぜひ!

最後に。

彫刻家の男性はララを完成?させて愛そうとしてたのかな。してたと思う。でもララはどうなのかな。自分のことを完成させしてくれれれば彼には興味なかったのだろうか。

彼は今にきて、博物館でララとお話してほしいな、と思った。

DEEPEND「月面着陸」 / 外苑佐清さん @hudouco

モモは月にいて200年。悲しい理由でそこにいる。ずっと一人で。

でもランセ氏がきたときに「助けにきた」と言われた言葉にたいして感じた嬉しさは「これでやっと自分は助けてもらえる!」ではなく「やっと貫かせてもらえる!」っていう気持ちみたい。なんでや。

話を進めると、ユニコーンにとって「貫く」っていうのはどうも性行為と同義、らしいのだけど、モモが追放された理由は他のユニコーンとは違う事情がそこにある。

悩んでたのかな、200年悩み続けてなんかどうでもよくなって、残ったのは「こうしたい」という気持ちになってしまったのかな、と思った。200年だぞ。ユニコーンは長寿なのかもしれないが、頭おかしくならなかったのか。きっといろんな気持ちを封じ込めた結果「貫かせろ!」だったのかもしれない。

最後ランセからカレーもらったときモモが流した大粒の涙、この200年で、下手すれば初めて感じた優しさだったのかもしれない。なんて。

好きな人がいっぱいいることはダメなのことなのか、っていう答はユニコーンであるモモは絶対たどり着けない答えだし、ジョチと付き合ってるランセが「男と付き合ってるんだけどそれはダメなことなのか」っていう答はおそらく辿りつくことはできない。って思うと、二人、お互いのことは理解できないけど、違うところで分かり合えるはず。

ちなみにアームストロング船長の月面着陸。オチは本の中で!

 

「帰る」 / 鷹行静さん ( @tsiz1223 )

日常生活のLet It BE。

前回の「犬の話」に続いて二作目だけど、静さんの作品に共通して感じたのはそういう印象だったかな。

いい意味で「フラット」、描かれているのは「日常」、流れは「そのまま」というより「あるがまま」っていう。

犬の話はその中にファンタジーの味が少し入ってた一方、「帰る」はこれと言った不思議さはないけど、主人公が感じている「日常」に対する想いとか感情がすごく伝わってくる。そして最後の「ただいま」は「Let It Be」から「Let it Go」に変化していく感じ。

犬の話の時の「いや、いいわ……それも、今更だし」っていうのとは対極する感情があるような気がした。

「おかえり」。